ナチュログ管理画面 釣り 釣り 北海道・東北 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2012年12月27日

それでも私は魚籠を下げる




さて、実は今回はちょっと自分の中では重いテーマ。

Release or Eat (リリースかキープか)のお話。




 渓流ルアー&フライと言えばリリースがもはや無言のマナーとさえ思われる風潮である昨今。

トラディショナルな紳士の釣りというイメージに代表される様に、

この釣りをする人間は確かに他の釣りに比べて自然保護・資源保護の観念が色濃いように感じる。

乱獲をする一部の餌釣師に嫌悪を抱くあまりの裏返しというのも、少なかれそれに含まれているのは事実だろう。


無論その思いは私とて同じ。

出来る限り人工物で川を汚したくない。貴重な水産資源を守っていきたい。。。



がしかし、



それでも私は魚籠を下げる。



簡単に言ってしまえばそう、基本的にリリース派では無いのだ。




実は私は、これまでの人生で魚はずっと苦手だった。

見る分には良いが、食べるのも骨だらけで苦手、触るのも生臭くて苦手、

なんなら釣りどころかそうしたアウトドア全般に苦手意識を持っていた。


しかし社会に出て、自分の趣向を無意識に固めてしまっている小さな自分の背中に気付いてしまった。

世界には色々な素晴らしさがあるというのに、それには目を伏せ、

自分の枠を自分で勝手に決め込んで可能性を遮断してしまっている愚かな己に気付いてしまった。

"折角生かされているんだから、何にでも挑戦してみよう。"

そう決意し、始めたもののひとつがこの渓流ルアーという釣りだった。


始めた頃は特に何も考えず、釣った魚を持って帰ると家族が喜んで食べてくれたのでそれで良いと思っていた。

しかし、少ないながら知識を蓄え始め、現代の河川資源の希少さを自覚し、

私も一時他の方々がそうされているように全てリリースする時期があった。



だが、

手のひらから流れに戻ってゆく弱った魚のその頼りない背中を見て、またもや私は考えてしまった。

その傷が致命傷では無かったにしても、自分は"イタズラに魚に傷をつけてしまっているのだけではないか?"

"食料にもしない、必要としていないはずの「命」を勝手なエゴで弄んでいるだけの行為ではないのか?"


そんな思想の果て、私は"命の責任を取る"という意識の元、

自分がその日食べられる分に関してはなるべく持ち帰り食すという道を選んだ。


ペット以外の動物の命の重さが感じにくい現代、どんなにエラそうな事を言っても私とて例外ではない。

だからこそ、生きた魚体を自分の手で捌き食す事で、そのかけがえの無い命を奪い

”生かされている"事を自覚する必要があると思った。

それでこそこの「釣る」という行為に対して自分の中で「筋」が通ると考えた。

簡単に言えば、

「食う為に釣る」に近い思想。



だがかといってそれでは、「じゃあ必要な分釣ったらもう帰りゃいいじゃん」という話である。

正解!その通り!(笑)

でも悲しいかな理想を頭では考えられてもやはり私も所詮この釣りの中毒者。

そこまで割り切れる程悟ったフリなど出来はしない。(含笑)

やっぱり探究心の湧き上がるまま、楽しみたい!上達したい!


そんな葛藤をしつつ、今は複雑なレギュレーションを無意識に自分の中に設定しつつ、

キープとリリースを区分けしながら釣りをしている。(これも言ってしまえば個人的なエゴに過ぎないんですけどね;)




「いやいやいや、別にそんな難しく考える必要ねーだろ!」と、

釣り仲間にこの話をしたらきっと笑われてしまうだろうけども。



今でも正直リリースしている仲間の横でキープしている自分の行為に、

恥じるわけでも罪悪感に縛られるわけでも無いのだが、やっぱりちょっと複雑な気分ではある。

おそらくリリース派のその仲間達から見ても、私のその姿を見るのは複雑な気分なのだろう。


しかし私は現在、このスタンスを変える気にはならない。




こんな風に面倒な事を細かく考える必要など本当はきっと無いのかもしれないが、

私は小さな事でも考え続ける釣り人でありたいと思っている。




それでも私は魚籠を下げる






(追記)

あっ、

かつて魚が苦手とかなんとか書きましたが、今となっては純粋に大好物です(笑)

そもそも嫌々食うなんてことしたら魚に失礼ですしねw

立ち上げて間もないのにどろどろディープな内容ばっかりですいません!(爆)

でもこの題材は、自分の考えをまとめるためにもいつかはしっかり文章にして置きたいと前々から思っていたもんで。。。

次は多分アホみたいにゆる~い内容になると思いますが拍子抜けせんで下さいね(笑)


それではまた!ノシ












同じカテゴリー(釣話)の記事画像
ハンドメの進捗
釣れないの嗜み
同じカテゴリー(釣話)の記事
 ハンドメの進捗 (2015-03-28 01:46)
 釣れないの嗜み (2013-02-01 08:35)

この記事へのコメント
毎度どうも。笑


くろねの世界観丸出しのブログ、いい感じ^^b

俺も持ち帰ろうと思うときはあっても、魚籠持ち運ぶの嫌で・・・。笑


そんな僕ですが、釣りに行ったら僕の魚も一緒に入れてくれますか?笑


価値観は人それぞれだし、確かに今にも逝きそうな魚をリリースしてもねぇ・・・って思うときはある。


ちなみに例の水産大の論文の延長で発見したんだけど、釣りの種類やハリの外し方やらなんやらで死亡率はかなり変わるみたいよ!
今度会った時話すね。笑
Posted by 蛍蛍 at 2012年12月27日 04:45
こにゃにゃちわん!

心を尽くして美味しく頂く事が肝要かと^^
やっぱ塩焼き&骨酒ですね~(笑)

私は良型ほど卵を沢山産むと認識してますよ。
かわいそうな小魚ほどリリース後の生存率が低いはずです。

まじめに考えておられて素敵です^^
Posted by たーきーたーきー at 2012年12月27日 18:04
初めまして。
ブログ開設おめでとうございます。
蛍さんのところからやってきました。

非常に共感出来る記事です。
リリースかキープか
トリプルフックかシングルフックか

こう言った話は、釣り人の中でも意見が割れる話です。
話が長くなるので、ここでは、書きませんが、
勇気のある記事を書いているのでコメントした次第です。
今後も、ブログを楽しんでくださいね。
Posted by 山猿 at 2012年12月27日 19:11
初コメです!!
この前はありがとうございました!!(笑)

難しい問題にいきなり触れるとは…
おらは叩かれそうで尻込みしちゃいます(^^;
本当に難しい議題ですよね。
たしかに命を無駄にしてはならない
でも釣りはしたい
この葛藤が私たちを端へ端へと追いやります。(笑)

自分の信じた道を突き進みましょう(^^)
Posted by たけちゃんω∩ at 2012年12月27日 23:36
蛍さん>
ありがとう!^^
勿論人それぞれ価値観もスタイルも十人十色だよね~。
寧ろそれこそが健全な事だと俺も思うよ。
お魚、キープの際はバンバン俺の腰をご利用下さい(意味深)
実際のとこね、正直魚籠は邪魔・・重いしがさばるし(笑)
でもまぁ落ちてるゴミ拾ってみたり(ボーズ時限定)ちょっとした食料入れてみたり、魚入れる意外にも多少は役にはたってくれてるのよ。
論文の話、非常に興味深いね~。
今度じっくり教えてね^^
Posted by くろねくろね at 2012年12月28日 13:02
たーきーさん>
コメントありがとうございます!
「心を尽くして美味しく頂く」まさにそれこそが何より大事な事ですね^^
塩焼き・骨酒・・・こでらぇねす(*´▽`*)・・あと刺身も(笑)
変な方向に頭でっかちになってしまうのが悪い癖でして。(苦笑)
生存率のお話、参考になります。
シーズンあけたら是非フィールドにお供させて下さいね^^
Posted by くろねくろね at 2012年12月28日 13:12
山猿さん>
初めまして!アクセス&コメントありがとうございます!!
確かにこの手の話題は意見が大きく割れますよね。
正直私も書き出すまで暫く躊躇しておりました。
もしかしたらきっとこれを読んで気分を害してしまう方も居られるだろうと。。
しかしあくまでも私個人の今後の成長の為にも、現段階での私の考えという物を形にしておきたいと思い、勝手な都合とは思いつつ思い切って書いてしまいました(汗笑)
勿論あくまでもこれは私の個人的な自分に対する概念でしかないので、皆さんに対しても同じように考えるかと言われるとそういうわけでは御座いません。
もしかしたら今後また変わってくる事もあるかと思います。
ブログというものにまだ不慣れですので、不躾な記事になってしまう事をご容赦下さい。
Posted by くろねくろね at 2012年12月28日 13:25
たけちゃんさん>
コメント嬉しいです^^ありがとうございます!
立ち上げ早々、やらかしちまいましたね(爆)
炎上しかねないリスクさえ感じる際どい題材なので、正直かなり迷いましたが、これに関しては前々からかなり頭を悩ませていたもので・・・いずれ書く事になるなら早いうちに触れて置こうと見切り発射しました(笑)
あくまでもコレは今現在での自分個人に対する話なので、気を悪くせんで頂ければ有難いです。
リリースの自然への配慮も、キープして美味しく食べる喜びも、行動としては真逆でも私は両方素晴らしい事と考えています。
人それぞれのスタイルや信念があってこそ、この釣りの奥深さですからね^^
ヘタレ釣り師の私ですが今度是非!フィールドにお供させてください^^v
Posted by くろねくろね at 2012年12月28日 13:39
こんにちわsskです。

先日の宴では、楽しい時間ありがとうございます。

すばらしい文章に、読み入ってしまいたした。
人、それぞれ感じる場所があるのでしょうが
共感できる節、思い当たる節があります。

かっこいいブログですね!
Posted by ssk at 2012年12月28日 17:35
sskさん>
コメントありがとうございます!
こちらこそいやらしい時k・・あ、いや楽しい時間をありがとうございました(笑)
そんなそんな、お褒め頂き恐縮ですわ(汗
際どい題材でしたが、共感して頂ける点があったとはなんだか嬉しいです^^
Posted by くろねくろね at 2012年12月28日 20:56
先日は訪問ありがとう御座います。蛍さんの友人だったんですか。宜しくお願いします(^-^)食べる為に釣る。自分は良いと思います。必要以上の乱獲はチョットね。宜しくお願いします
Posted by 夢追い at 2012年12月30日 14:05
夢追いさん>

訪問&コメント有難うございます!

「必要以上の乱獲」これに関してはかなり厳しい目で自分を律しております。

"持ち帰るのは自分が食べる量のみ"。

"針傷が致命傷にならない物、大型・小型は基本除外"。

・・・と言いながら、まだまだそんなにバンバン釣れる程の腕でも無いので実際ボウズも多々ありますが(笑)下手くその戯言とでも思って頂けるとありがたいですw

願わくばこの問題をもっと今以上に真剣に考えなければならない程の"腕前"になれるよう、日々精進していきたいと思っております!

ちょこちょこ黙って覗いてた無礼をお許しください^^

またちょいちょい拝見させて下さい♪
Posted by くろねくろね at 2012年12月30日 16:10
はじめまして^-^
同じような考えを持ってます。
以前、釣ったのを食べたことが無い。という人に会って、唖然としたです。
つり上げたサカナに対しての、唯一のいい訳って、食べる意外思いつかないです。
どこまでいいの?って部分については、個々のモラルに沿った線引きでいいと思うんです。
キャッチでも、リリースでも、釣りは、ニンゲンの勝手な都合でやってる遊びなんで、ね…
勇気ある記事だと思います^-^
Posted by yomatsubeyomatsube at 2013年02月04日 22:15
yomatsubeさん>

来訪&コメント有難うございます!^^

共感頂き有難いです(´;ω;`)

本当にこの記事は意を決して書いた記憶があります。

捉え方によっては激しい不快感を与えかねない内容ですから・・;

勇気なんて立派なものではありませんよ~(笑)

ただ少なくとも私にとってブログは、自分自身の胸の内を表現できる場所。

勿論公共の場ですから、他人に不快感を与える記事はなるべく書かない方がいいだろうという程度の最低限のモラルは持ち合わせています。

しかしながらこの問題は悲しいほどに私の胸の内の"核"の部分に居座っていたものですから、核すら書けないブログを続けていける自信もなく、「ここで炎上するならやむ無し!」と身勝手ながら強引にもしたためさせて頂きました。
Posted by くろねくろね at 2013年02月04日 23:09
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
それでも私は魚籠を下げる
    コメント(14)