2013年03月08日
酒の話
いよいよお隣では解禁。
早々と渓への挨拶を済ませる強者方を横目に、
熱い羨望の眼差しを送りつつも未だ重い腰が上がる気配のないものぐさなくろねです。(笑)
とりあえずは腰の上がっていない今だからこその別ジャンルのテーマ。
今日は”酒の話"です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ブログタイトルからもあからさまに察して頂ける通り、私は大の酒好きである。
遺伝的に強い方ではない(寧ろ弱い)のだが、旨い酒ならジャンルを問わずどんなものでも好んで飲む。
一時はその酒好きに元来の性分である創作欲が相まって、道具を揃えてバーテンの真似事を趣味にしていた程だ。
スピリッツやリキュール等々50本ほど賑やかに部屋に並べ、血豆ができるほどステアの練習をし、
毎晩オリジナルカクテルの創作に励んだりもした。
しかしさすがにカクテルばかり飲んでいると糖分の過剰摂取で体調を崩しそうになったのできっぱりと辞め、
それからは家では専ら蒸留酒のみを飲むようになっていった。
焼酎・泡盛・ウォッカ・ラム・テキーラ・ウイスキー・ブランデー等々。。
飲むほどに蒸留酒の味わいの深さに興味は増した。
とりわけ愛着を覚えたのが"ウイスキー"。
かつての私にとって"ウイスキー"といえばキツイだけの臭い酒。
それはROCKの代名詞であり、荒々しい男らしさであり、ロクでもない飲んだくれのイメージ。
しかし、飲む程に、歴史を学ぶほどにこの"ウイスキー"への関心は膨らみ、
アルコールの強さに慣れたその先には繊細な味わいの広がりを感じる事が出来るまでになっていった。
アメリカン(バーボン)、カナディアン、ジャパニーズ、アイリッシュ、スコッチと
様々なウイスキーを飲んだ。
まさにお国柄なのだろう。それぞれの国の"ウイスキー"に対する概念や需要は驚くほど味や香りによく顕れている。
その中でも私が特に興味を注いでいるのが「スコッチ」(スコットランド産ウイスキー)。
ウイスキーの正規の発祥地はアイルランドだという説が濃厚だが、その後の創意工夫・土壌に合わせた味の追求がもたらしたグローバルな発展への貢献は紛れもなくスコットランドの実績である。
このスコッチという飲み物。
特にシングルモルト(単一麦芽)に関しては単に"ウイスキー"という単語だけでは語りきれない、ひとつの「学問」といっても差し支えないような奥深さを持っている。
同じスコットランドとはいえ地域や蒸留所によってその味わいも多種多様。

バランスが良く、花や果実を連想させる香りだちのスペイサイド。
穏やかな麦の風味が素直に表現されたローランド。
オイリーで塩っぽい、コクのある舌触りのキャンベルタウン。
絹のように滑らかで、鍛錬の末に成熟した調和を感じさせるハイランド。
強烈なピート香を伴う、海を連想させる力強い味わいを前面に押し出したアイラ。
それぞれ独立した島ならではの、個性的な表情をもつアイランズ。
どれも独創的で、どれも美味い。
私が個人的に気に入っているのは「アイラ」産のモルト。
ボウモア・カリラ・ラガヴーリン・アードベック等、アイラ島の蒸留所には他の地方とは一線を画す大きな特徴がある。
それは"燻製"とも言える強烈な「ピート香」。
ウイスキーを造る際、蒸留する過程の前に燃料を焚いて麦芽をよく乾燥させる必要がある。
その為に使われる燃料の代表格がピートなのだ。
ピートとはヘザー、コケ、シダ等の植物が数千年にわたって土壌に堆積してできた「泥炭」の事で、特にアイラ島ではよく採れるもの。
他の地方は燻製香を嫌い別の物を使用したり、ピートを焚いても少量で終わらせるのがセオリーとなっているが、アイラ島の蒸留所は島中でよく採れるそのピートをふんだんに使用し、力強い独自の味わい事を生み出すという手段を選択した。
その産物がこの素晴らしい香りである。
どの蒸留所もピーティな香りの中にそれぞれの個性的な風味を持たせているアイラ・モルトだが、
特に私が部屋に常備していないと落ち着かないのがこちら。

アイラ・モルトの中でも一段とピーティな燻製香に、荒波を思わせる強烈な磯の香り、オイリーな舌触り、口に含んだ時の甘さが特徴となっている。
正直同じウイスキー好きでも、日本のものに慣れ親しんだ方なら苦手だという方も多い。
事実、10人に7人程の割合で「薬品臭い」「飲みもんじゃねぇ」という感想を頂戴する(笑)
好きか嫌いか、こんなに瞬時に明確に分かれる酒も珍しいかもしれない。
興味のある方は是非チャレンジしてみて欲しい。
これは余談ではあるが、ウイスキー、特にスコッチを飲む際におすすめの飲み方がある。
その名も「トゥワイスアップ」。
それはニート(ストレート)に同量の水を加えたもの。
要するに1:1の水割りなのだが、この場合グラスはチューリップ型のテイスティンググラスとなる。
ニートだとどうしてもアルコールのツンとした匂いが鼻に突き、香りを楽しむというよりも舌触りや味覚でのテイスティングとなってしまうのだが、スコッチの魅力はその"香り"の豊かさにある。
トゥワイスアップではその香り立ち、温度による変化までをも存分に楽しむ事ができるのだ。
バーボンのようにキレのある力強い香りの酒はロックにしてもその持ち味は変わる事は無いが、
スコッチの持つ繊細さを味わう事をしないのは本当に勿体無い。(値段も高いしw)
もしバーに行く機会があったら、是非この飲み方を試してみて欲しい。
その一杯で"ウイスキー"のイメージが変わる可能性も少なくは無いと思う。
P.S.
ちなみに居酒屋や"なんちゃって"バーで
「トゥワイスアップで!」なんて気取って言うと
「えっ?・・・・・なんですか?」と、赤っ恥をかくので注意が必要だ(笑)

早々と渓への挨拶を済ませる強者方を横目に、
熱い羨望の眼差しを送りつつも未だ重い腰が上がる気配のないものぐさなくろねです。(笑)
とりあえずは腰の上がっていない今だからこその別ジャンルのテーマ。
今日は”酒の話"です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブログタイトルからもあからさまに察して頂ける通り、私は大の酒好きである。
遺伝的に強い方ではない(寧ろ弱い)のだが、旨い酒ならジャンルを問わずどんなものでも好んで飲む。
一時はその酒好きに元来の性分である創作欲が相まって、道具を揃えてバーテンの真似事を趣味にしていた程だ。
スピリッツやリキュール等々50本ほど賑やかに部屋に並べ、血豆ができるほどステアの練習をし、
毎晩オリジナルカクテルの創作に励んだりもした。
しかしさすがにカクテルばかり飲んでいると糖分の過剰摂取で体調を崩しそうになったのできっぱりと辞め、
それからは家では専ら蒸留酒のみを飲むようになっていった。
焼酎・泡盛・ウォッカ・ラム・テキーラ・ウイスキー・ブランデー等々。。
飲むほどに蒸留酒の味わいの深さに興味は増した。
とりわけ愛着を覚えたのが"ウイスキー"。
かつての私にとって"ウイスキー"といえばキツイだけの臭い酒。
それはROCKの代名詞であり、荒々しい男らしさであり、ロクでもない飲んだくれのイメージ。
しかし、飲む程に、歴史を学ぶほどにこの"ウイスキー"への関心は膨らみ、
アルコールの強さに慣れたその先には繊細な味わいの広がりを感じる事が出来るまでになっていった。
アメリカン(バーボン)、カナディアン、ジャパニーズ、アイリッシュ、スコッチと
様々なウイスキーを飲んだ。
まさにお国柄なのだろう。それぞれの国の"ウイスキー"に対する概念や需要は驚くほど味や香りによく顕れている。
その中でも私が特に興味を注いでいるのが「スコッチ」(スコットランド産ウイスキー)。
ウイスキーの正規の発祥地はアイルランドだという説が濃厚だが、その後の創意工夫・土壌に合わせた味の追求がもたらしたグローバルな発展への貢献は紛れもなくスコットランドの実績である。
このスコッチという飲み物。
特にシングルモルト(単一麦芽)に関しては単に"ウイスキー"という単語だけでは語りきれない、ひとつの「学問」といっても差し支えないような奥深さを持っている。
同じスコットランドとはいえ地域や蒸留所によってその味わいも多種多様。

バランスが良く、花や果実を連想させる香りだちのスペイサイド。
穏やかな麦の風味が素直に表現されたローランド。
オイリーで塩っぽい、コクのある舌触りのキャンベルタウン。
絹のように滑らかで、鍛錬の末に成熟した調和を感じさせるハイランド。
強烈なピート香を伴う、海を連想させる力強い味わいを前面に押し出したアイラ。
それぞれ独立した島ならではの、個性的な表情をもつアイランズ。
どれも独創的で、どれも美味い。
私が個人的に気に入っているのは「アイラ」産のモルト。
ボウモア・カリラ・ラガヴーリン・アードベック等、アイラ島の蒸留所には他の地方とは一線を画す大きな特徴がある。
それは"燻製"とも言える強烈な「ピート香」。
ウイスキーを造る際、蒸留する過程の前に燃料を焚いて麦芽をよく乾燥させる必要がある。
その為に使われる燃料の代表格がピートなのだ。
ピートとはヘザー、コケ、シダ等の植物が数千年にわたって土壌に堆積してできた「泥炭」の事で、特にアイラ島ではよく採れるもの。
他の地方は燻製香を嫌い別の物を使用したり、ピートを焚いても少量で終わらせるのがセオリーとなっているが、アイラ島の蒸留所は島中でよく採れるそのピートをふんだんに使用し、力強い独自の味わい事を生み出すという手段を選択した。
その産物がこの素晴らしい香りである。
どの蒸留所もピーティな香りの中にそれぞれの個性的な風味を持たせているアイラ・モルトだが、
特に私が部屋に常備していないと落ち着かないのがこちら。
LAPHROAIG(ラフロイグ)
10years old
10years old
アイラ・モルトの中でも一段とピーティな燻製香に、荒波を思わせる強烈な磯の香り、オイリーな舌触り、口に含んだ時の甘さが特徴となっている。
正直同じウイスキー好きでも、日本のものに慣れ親しんだ方なら苦手だという方も多い。
事実、10人に7人程の割合で「薬品臭い」「飲みもんじゃねぇ」という感想を頂戴する(笑)
好きか嫌いか、こんなに瞬時に明確に分かれる酒も珍しいかもしれない。
興味のある方は是非チャレンジしてみて欲しい。
これは余談ではあるが、ウイスキー、特にスコッチを飲む際におすすめの飲み方がある。
その名も「トゥワイスアップ」。
それはニート(ストレート)に同量の水を加えたもの。
要するに1:1の水割りなのだが、この場合グラスはチューリップ型のテイスティンググラスとなる。
ニートだとどうしてもアルコールのツンとした匂いが鼻に突き、香りを楽しむというよりも舌触りや味覚でのテイスティングとなってしまうのだが、スコッチの魅力はその"香り"の豊かさにある。
トゥワイスアップではその香り立ち、温度による変化までをも存分に楽しむ事ができるのだ。
バーボンのようにキレのある力強い香りの酒はロックにしてもその持ち味は変わる事は無いが、
スコッチの持つ繊細さを味わう事をしないのは本当に勿体無い。(値段も高いしw)
もしバーに行く機会があったら、是非この飲み方を試してみて欲しい。
その一杯で"ウイスキー"のイメージが変わる可能性も少なくは無いと思う。
P.S.
ちなみに居酒屋や"なんちゃって"バーで
「トゥワイスアップで!」なんて気取って言うと
「えっ?・・・・・なんですか?」と、赤っ恥をかくので注意が必要だ(笑)
