リールの話

くろね

2012年12月25日 00:35

さて、

勢いでブログを立ち上げたは良いものの、

解禁もまだまだ遠いこの季節に何の話をしていいものか。。



という事でまずは私の使用している道具の話でも書いてみる事に。



今回は巻き物、リール編。


長文なのは愛着の深さ故なので勘弁して下さい(笑)









mitchell 408



出会いはこの釣りに入門した年の秋。

「初めは使い勝手の良い間違いない物を」と、釣り全般においてのベテランである

先輩に頂いたアドバイス通り、まず私は最新の国産廉価リールでこの釣りに入門した。

実際それは扱いやすくトラブルレス。

渓流どころか釣りのひとつも経験の無い初心者の私にとってそれは重要なアドバンテージであり、

この釣りの魅力にどんどん吸い込まれていったのはそうした経緯有りきだと思う。

(不器用な私に釣りの手ほどきをしてくれ、今も親しくしてくれているその先輩には本当に感謝している。)



だがしかしそこは元来ひねくれ者で変態懐古主義(?)な私。

日を追うごとに釣果は増えているというのに、何故か全くと言っていい程そのリールに愛着が湧いてこなかった。

その原因は、癖のある物・味のある物にばかり惹かれる私の悪い性癖。


”自分らしいものを”と、各方面探して見つけたのがこのミッチェルというリールだった。

初めて見たとき、機能などさておき見た目一発で既にやられた。

骨董品の様な年代の代物というのにも関わらず、深い紺のボディや丸みを帯びたなフォルムが醸し出す上品な雰囲気。

それからすぐに、入門用にと買った最新の国産廉価リールを放り出してあっという間にに購入した。


そしてこのリールを手にした日から、ミッチェル408というリールについて手当たり次第情報入手する日々が続いた。


スピニングリール創成期・発展期を支えた老舗ブランドである事、スパイラルベベルギヤのハイスピード仕様で、

当時最新技術として注目されたプラナマチックオシュレーションという摩訶不思議な機構を備えている事、

ワンタッチでスプールを交換できること、ランディング時以外はストッパをかけないのが正式な扱い方である事、

ボディの紺色の塗料はフランス海軍で使用している物と同じである事、等等・・

知れば知るほど私はその得体の知れない魅力に引き込まれていった。




しかし、渓流ルアーフィッシングというジャンルの中で世間で人気のあるオールドリールといえば

アブのカージナルかこのミッチェル・・とはよく耳にはしていたものの、

所有者を探してみるとカージナルは確かに多いのに対してミッチェルユーザーは殆どいない現実。

「昔持ってたよ」、「一度使ったことある」という方は割といるのに、現在進行形で使用している人の少なさ。

もちろんメーカーが既に無いので修理部品の入手のしづらさも原因だろうが、それにしても一体何故だろうと思っていた。


使い始めてその理由がおぼろげながら見えてきた。


まず、ラインローラーが無い(もしくは小さい)為に、ナイロンラインが縒れやすい事。

次に、アンチストッパ釣法(ストッパをかけない)をする事で突然のバイトに当たりがとれずバラしてしまい、

かといってストッパをかけっぱなしにするとカリカリ音が煩い(カージナル以上)上にギヤの破損を早めてしまうという事。

また、金属製の重いベイルは抜群に返りが良いものの、バックハンドキャストの際には

その重さとアンチストッパ釣法が災いしてルアーが着水する前にベイルが勝手に返ってしまうのがよくある事。

その他にもドラグのムラ、糸絡み、部品の固定の甘さ、トリップレバー角度のシビアさ等、

”オールドリールらしい”といえば”らしい”トラブルの宝庫である事を身をもって知る事となった。


しかしそれでも尚、変態な私はこのリールを嫌いにはなれなかった。

しょっちゅう部品が壊れる度に調達に苦労もする事もあったが、

きっと散々苦労させられたもの程愛着が湧くものなのだろう。


いまだに飽く事無くこのリールと付き合い続けている。

例え私のようなへっぽこでも、長く付き合う事でトラブルを回避する技術も特性を活かす方法も自ずと身につくものだと改めて気づかされた。

今のところ他のリールを使いたいという気持ちは全く湧いてこない。

というよりも寧ろ、きっと私はこの釣りを続けている限りはこのリールを使い続けるようなが気する。

来年もまた、かけがえの無い思い出を釣りに行こう。


宜しくな、相棒よ。







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